星薬科大学生化学

生化学研究室の取り組み

「生化学I、II」の講義、糖鎖に着目した癌と免疫応答の研究、生活習慣病に関する研究を軸にしています

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卒業研究・講義

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注目!
星薬科大学生化学

糖鎖切断と癌・免疫疾患

ヘパラナーゼの制御に根ざした疾患治療を目指します

星薬科大学生化学

細胞増殖制御タンパク質と疾患

健康確保のための科学的エビデンスを発信します

卒業研究と講義を担当します

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卒業研究(3年生〜)

◆ 将来に役立つ研究活動の基礎固めを目指します
 本学では2年生のうちに配属予定研究室が決まり、3年生の前期は「卒論準備実習」、後期からは本格的に「卒業研究」が始まります。研究や勉強を積み上げることで、講義などで出会った自分の疑問や興味、薬学に対する思いを、研究成果や卒業論文という形に育てていくプロセスを体験することができます。さらに、薬剤師を含めいろいろな仕事に共通して活かせる貴重な経験ができます。

◆ 卒業研究で育ててほしい3つの力
1. 貪欲に先取りする力
 実習と研究の違いのひとつ、それは「研究では全ての準備を自分でやる」ことです。
 実習では実習担当の先生が試薬や実験器具を整えてくれます。やる内容も説明してくれます。一方、研究の現場ではみなさんひとりひとりが準備をします。「準備」には実験の計画はもちろん、試薬や器具の準備、片付け、さらに日々の清掃・廃棄物処理・器具の洗浄と滅菌なども含まれます。先取りして進めましょう。足りない試薬や器具をほっておいても、増えません。教員に「◯◯がない」「◯◯の調子が悪い」と伝えましょう。この実験をやったら次は何をする?もし十分量の試薬や材料がなかったら?・・・先取りして準備しましょう。将来絶対に役に立ちます。
2. ついついコミュニケーションしてしまう力
 毎日の実験結果を仲間に、教員に伝え、次の手順を考える。この場面では、実験結果や自分が考察したことを正しく伝える必要があります。溜めずにどんどん伝えましょう(タイミングが大事)。ついつい実験データをまとめて準備できるようになると、さらによいと思います。できる人はまとめてから話しましょう。
 卒業研究の発表、学会発表では、不特定多数の人に向かってドキドキしながら発表します。自分が全力で取り組んだ研究ならハートは伝わるでしょう。でもわかりやすく伝えるための工夫や準備も必要です。将来必ず役に立ちます。
3. 自分が研究を動かしているという責任感と自立の力
 卒業研究には期限があります。目標を設定したあと、どのように進めれば設定した目標にたどり着けるでしょう。教員もサポートしますが、自分自身でもよく考えて取り組みましょう。
 卒業研究には事前に用意された正解がないので、みなさんの出した実験結果がそのまま「正解」になります。ベストを尽くし、責任感をもって取り組んでください。自分で目標を定めて一歩一歩計画・実行する経験は、将来きっと役に立つと思います。 

最後に: 卒業研究に初めて取り組んだ時の気持ちや思いを、時々思い返して下さい。

 2年生の要望に応えQ & Aを作りました。

生化学 I(1年生前期)

◆「私は何者?」「君は何者?」
 昔から多くの人が悩んだ問題を「私たちは何でできているか?」という問いに変えるなら、「私たちをつくっている生体成分はどのような構造の物質で、どのような働きをするの?」ということが知りたくなるのではないかと思います。「私は私が食べたものでできている」はずですが、中には食べた覚えのないものもありそうです。
 生化学 I では、いずれ薬物の作用機序を理解する上で土台になる脂質・糖質・タンパク質・核酸・ビタミンなどの生体物質について学びます。大事なのは「学びの対象が私たち自身にも患者さんにも当てはまる」ということだと思います。暗記事項が多いですが、頑張りましょう!

生化学 II(1年生後期)

◆「生きているってすばらしい、でも生きているってどういうこと?」
 生化学 I で学んだいろいろな生体物質はそこにじっとしているのではなく、他の物質に変化し(「代謝」といいます)、また居場所を変えます。生きている状態では、この変化がたゆみなく生じます。講義を担当しながらも、不思議だと思っています。
 糖質や脂質・アミノ酸からATP産生へと向かう変化は生命の維持に必須なエネルギーを獲得するための代謝です。これ以外にも主な生体物質である脂質・タンパク質・核酸などの物質の流れを学びます。さらに、この流れが物質レベルのミクロな流れだけでなく、マクロの(栄養学・衛生学としての)見方ではどのように捉えることができるのか、という点の理解も重要です。この部分は高橋准教授が担当します。

大学院講義「基盤薬学特論 III」(2019年は10/4、10/11、10/18、10/25、11/1)

◆ 糖鎖の機能と病態モデルの作製・解析を紹介します。
 「糖鎖」という総称名はマイナーかもしれませんが、その一方でABO血液型・ヒアルロン酸など、なじみ深い糖鎖もあるのではないでしょうか。ややこしい糖の名称はわきにおき、糖鎖の機能のきもと考えられる、「個体」や「細胞」の多様性の表現、細胞外環境の構築、情報伝達の調節という切り口で糖鎖を紹介します。
 病態モデルの作製・解析の講義では、生命科学一般を支えている疾患動物モデルの作製と解析を、応用例を交えて紹介します。

◆ 2019年度の非常勤講師の先生方:脳梗塞・感染・生殖医療という話題を取り上げます。

・東恭平先生(東京理科大・薬) 脳梗塞急性期における酸性糖鎖損傷機構(10/18)
・松浦俊樹先生(医療法人社団 奨寿会) 日本の少子化と生殖医療の関わり(10/25)
・深澤征義先生(国立感染研・細胞化学部) C型肝炎ウイルス侵入過程の基礎研究から感染防御・予防・治療に向けた応用研究へ(11/1)

◆ 2017年度の非常勤講師の先生方:老化・幹細胞性の維持・感染症・癌免疫など、近年急速に進展しつつある研究分野の紹介をお願いしました。
佐々木紀彦先生(東京都健康長寿医療センター研究所) 幹細胞・細胞老化と糖鎖(11/10)
※※※日本テレビ「世界一受けたい授業」に先生として出演されました(200606)。※※※
山本典生先生(順天堂大) 感染症と糖鎖(11/17)
伝田香里先生(順天堂大) がん免疫と糖鎖(11/24)

その他、薬学英語・生物系実習・物理系実習などを担当しています

研究に取り組みます

ヘパラナーゼを標的とする癌・免疫疾患の制御(東)

星薬科大学生化学東伸昭

◆「第3の生命鎖」糖鎖とその切断を制御して疾患を治療する

 タンパク質を切断する「プロテアーゼ」、核酸を切断する「ヌクレアーゼ」などの「酵素」は、様々な疾患の治療標的として注目されてきました。私が注目するヘパラナーゼは糖鎖を切断する酵素「グリコシダーゼ」の一種です。
 糖鎖は「第3の生命鎖」と呼ばれ、その機能が徐々に明かされています。ヘパラン硫酸・ヘパリンという硫酸化糖鎖は、二種類の糖が繰り返し重合した多糖が、さらに「硫酸化」を受けたものです。強いマイナス電荷をもつこの高分子は、正電荷をもつ様々な生体物質に対して「のり」のように作用し、上皮細胞層を支える基底膜をつくり、細胞表層ではペプチドからウイルス・微生物に至る様々なモノを見分けて結合し、マスト細胞の顆粒内では様々な生理活性物質を充填する、など生体に不可欠な、でもちょっと変わった機能を果たします。
 ヘパラナーゼはこの糖鎖を分解・切断する酵素で、基底膜構成成分であるヘパラン硫酸を分解することで癌の浸潤を補助すると考えられています。私たちは、がん細胞のみならず白血球の血管外浸潤の過程にもヘパラナーゼが関与し、この過程が低分子阻害剤で抑制されることを見出しました(左)。またヘパラナーゼが分泌顆粒内のヘパリンを切断することにより、細胞外環境における生理活性物質の放出を促進することを見出し、アレルギー疾患の調節因子となり得ることを提案しました(中)。さらにヘパラナーゼ自体がサイトカインのようなシグナルを伝える分子として機能し、癌組織局所の炎症を促進する可能性を見出しました(右)
 癌転移、炎症・アレルギー疾患などの場面においてヘパラナーゼがどのように機能しているのか、ヘパラナーゼの働きを阻害することにより、これら疾患の治療効果をあげる手立てはないか、検討してゆきます。
● 参考
「ヘパラナーゼを介した免疫細胞の調節機構」 Pharma VISION NEWS No.11(2008)

細胞増殖制御タンパク質の発現バランスを最適化して健康を維持する(高橋)

星薬科大学生化学高橋勝彦


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