血管新生治療戦略におけるターゲット・バリデーションと
先端的創薬研究
概観

昔から「ヒトは血管と共に老いる」と云われてきたが、更に正確に記すると、「ヒトは血管内皮細胞の機能低下と共に老いる」と言っても過言ではない。内皮細胞の機能低下は種々の合併症を誘発する。一方、内皮細胞の増殖によって血管が新生され、新生血管が生じることによって血流を腫瘍組織へ運び、腫瘍は成長する。網膜では脆い新生血管が破裂することにより網膜症が悪化する。

ほとんどの日本人は腫瘍か、動脈硬化(虚血性心疾患や脳卒中等)によって死亡すると言っても過言ではない。これらは血管の形態変化が深く関わっている。つまり、血管の病態変化を追及することが多くの疾病の解明に繋がることは間違いないであろう。

上記したように、腫瘍は、血管新生に依存して成長し、糖尿病網膜症は脆くて破裂しやすい異常血管新生が生じ、失明の原因となる。本プロジェクトは、腫瘍、糖尿病、血管新生に焦点を当てて研究プロジェクトを立ち上げた。


下記の左はグルコース、右はストレプトゾトシンの構造式。ストレプトゾトシンは膵臓のβ細胞に取り込まれ、ラジカル反応を生じてβ細胞を破壊するので、糖尿病モデルを作製する際、しばしば使用される。投与の方法によっては、1型糖尿病(インスリン分泌不全)、2型糖尿病(インスリン分泌不足型)の両モデルを作製することができる。糖尿病研究者にとって欠くことの出来ない試薬の一つである。

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