プロジェクトの目的

 腫瘍の成長は、血管新生に依存しており、糖尿病網膜症は網膜虚血が原因となって異常血管新生が生じ、失明の原因となる。これら現代病に共通する血管新生の有効な予防法、的確な治療戦略における基礎的研究並びに創薬のターゲットとなる分子に関する研究については必ずしも十分とは言えない。現在、既知のターゲットとなる分子は種々知られているが本オープン・リサーチ・センター構想は、上記疾患に対する治療戦略におけるターゲット・バリデーションを行い、創薬を具現化するための情報を提供すると共に、新規治療薬を開発することを目的とする。

 具体的には、動物モデルを駆使して病態解析を行うと共に、それらの原因を生化学的、分子生物学的に究明し、これらの情報を基に治療薬候補化合物を独自の評価系を駆使して探索する。

 なお、今回のオープン・リサーチ・センター構想は、血管新生関連疾病のうち、腫瘍時の血管新生と糖尿病網膜症に焦点を絞り、本学において学際的な研究を行い、情報の交換を密にし、常に定期的に研究成果を照らし合わせることによって、研究の方向性を随時考察しながら行うことによって、治療薬としてのリード化合物の創製まで達成することを目的とする。

 星薬科大学は、私立の単科大学にも拘わらず、化学系及び生物系薬学の研究分野におい毎年多数の論文を発表しており、それらの研究成果は国内外から多数引用され高い評価を受けている。今回のオープン・リサーチ・センター構想は、本学生物系及び化学系の研究者の中から更に研究者を厳選し、複合的・学際的な研究を目指し、単独の研究室ではなし得ない飛躍的研究を指向することを目的とする。

 研究成果を効率よく社会に還元するため、本事業の一環として「オープン・リサーチ推進室」設け、研究成果をデータベース化してホームページ等で公開し、また、関連分野で協力可能な団体・組織を募り、産学官連携により創薬の実現を目指す。本事業では、本学学部学生および大学院生の教育・指導はもとより、PDRA、外国人研究員、さらには企業からの研究員等も研究分野として受け入れ、医療・創薬分野における高度専門職業人の養成や我国における将来的な国際競争に耐えうる高度な専門研究者を養成することにより社会に貢献する。また、インドネシアを始めとする発展途上国に対する研究者等の人材育成は医療に関すグローバル化を考慮したとき必須の事柄であり、これにも本事業を通して貢献することを目的とする。本事業で得られた成果は国内外の学会で発表すると共に、学術論文として専門学術誌上に積極的に公表し、また、関連分野に関するシンポジウムや一般市民を対象とした公開講座等も開催して最新情報をわかりやすく社会に提供する。