研究テーマ

分子複合体化による医薬品原薬の物性改善と計算科学による医薬品原薬の結晶構造予測

 医薬品原薬は錠剤や注射剤のような剤形にすること,すなわち製剤化されることにより,患者さんのもとへ供給されます.医薬品原薬の多くは結晶性を示しますが,必ずしも医薬品として適さない物理化学的性質(物性)を持つものがあります.例として,水に溶けないために経口剤としても吸収されない,安定性が悪く長期保管できないといったことが挙げられます.
 当研究室では,これらの医薬品原薬の欠点について, 医薬品添加剤との分子複合体(共結晶や塩結晶)形成を行い,水への溶解性や安定性といった物性の改善を高める研究を進めています.また,分子複合体形成の可否を,実験によるスクリーニングで確認する方法は,時間と手間がかかります.この問題を解決する手段の一つに計算科学的手法があります.現在,計算科学的手法による分子複合体結晶の形成可否に関するスクリーニングの効率化を目標とした研究も進めています.

分子複合体化による医薬品原薬の物性改善と計算科学による医薬品原薬の結晶構造予測

量子化学計算を用いた低分子化合物と受容体タンパク質の相互作用解析

 本テーマでは主に,量子化学計算に基づいたフラグメント分子軌道法(通称FMO法)を用いて,薬物とタンパク質(受容体など)との相互作用を解析しています.
 In silico創薬とも呼ばれるこうした手法は,創薬の現場においてリード探索・リード最適化にかかる時間や費用を抑え,より効率的な薬物の設計に役立つような研究を進めています.

量子化学計算を用いた低分子化合物と受容体タンパク質の相互作用解析

経口固形製剤の設計と評価

 当研究室では,錠剤など経口固形製剤の製造から評価までを行っています.具体的には,溶解性や錠剤成形性,安定性など,薬物の物理化学的特性改善を目的として,新規医薬品添加剤の添加や造粒による物性改善を行っています.また,製造された製品について多角的な評価手法によって,最適な製剤処方や工程パラメータの探索,物性改善メカニズムの解明についての研究を行っています.
 加えて,近年創製される薬物の多くが難水溶性薬物であることから,その溶解性改善技術としてポリマーなどの担体に非晶質薬物を分散させた,固体分散体製剤が挙げられます.特にこの固体分散体製剤について種々の計算科学的手法を用い,最適な処方設計の探索に向けた製剤の安定性予測などの研究を進めています.

経口固形製剤の設計と評価

生体適合性イオン液体の開発とその製剤学応用

 塩は通常,融点が高く,室温では固体の物質ですが,イオン液体は塩でありながらも,融点が低く,室温でも液体として存在しているものがあります.この室温で液体である塩(room-temperatured ionic liquid)は,水でも有機溶媒でもない物性を持つことから,第三の溶媒と言われており,多くの分野でその応用が期待されています.
 本研究室では,生体に適応できる物質(医薬品添加剤,アミノ酸等)を用いてイオン液体を作製し,それらを製剤開発に応用する研究を行っています.

脂質ナノ粒子の効率的な設計2

脂質ナノ粒子の効率的な設計

 人工脂質二重膜に代表されるリポソームやリン脂質からなるベシクルなど,脂質ナノ微粒子設計において,分子シミュレーション解析と実験的解析の2つの面からアプローチしています.相補性のある解析手法により,脂質分子の微細構造からベシクルの大きさまで広いスケールでの製剤設計を可能とします.

脂質ナノ粒子の効率的な設計

TEL:03-5498-5159

E-mail:bukka_admin[at]hoshi.ac.jp

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