研究内容 (2010-2012年)

分子の化学反応性に関して、量子化学的手法を用いた検討をおこなっています。
定量的な分子軌道(MO)計算や密度汎関数法(DFT)計算の結果を丹念に見ていく
ことで普遍性をもった化学概念を導きだし、新たな反応設計に指針を与えていく
ことを目標にしています。

最近の具体的なテーマは以下の通りです。

1)プロパルギル位置換反応に関する量子化学的研究

 我々は共同研究を通して、二核ルテニウム錯体を用いたプロパルギル位炭素ー
炭素生成反応や銅触媒を用いたプロパルギル位アミノ化反応の反応機構について
検討をおこなってきました。これらの反応では、金属ーアレニリデン錯体の反応
性が鍵になっています。今後、種々の金属ーアレニリデン錯体についてさらに検
討していくことで、アレニリデン錯体の化学反応性について統一的な理解を目指
していきたいと考えています。


2)ルイス酸・ルイス塩基の触媒作用に関する量子化学的研究
 ルイス酸・ルイス塩基の概念は、化学の最も基本的な考え方の一つです。
しかしながら、これらを触媒として用いた反応を理解する際には、単に電子対の
やりとりとして触媒作用を捉えているだけでは本質が理解できないのではないか
と考えています。我々は今までに、ルイス酸を用いたアリルホウ素化反応やルイ
ス塩基をもちいたアリルシランのアリル化反応について検討してきました。

3)イリジウム触媒を用いた[2+2+2]環化付加反応に関する量子化学的研究


過去の研究(web上で予稿が公開されているものへのリンク)
ルイス塩基触媒を用いたアリルトリクロロシランのアリル化反応
ルイス酸触媒によるアリルホウ素化
アントシアニジンの構造と電子状態
9-ビニルアントラセンの捩れ振動
シランと一重項酸素原子の反応